古いガラスの記憶#4 雨の水飴瓶

掘り出し時に「こんな大きいものが完品で埋まっているわけがない」という、未熟な頃の固定観念で口を傷つけてしまったこの大瓶、どうやらかつての水飴の瓶だったようです。

気泡がすごい。時間の止まった大雨のようだ。

雨のような気泡の降り注ぐこの大瓶は、ふと眺めれば真夏の暑い日さえ、心に一瞬の驟雨(しゅうう=にわか雨)を呼び起こし、どこか心を涼やかに落ち着いたものにしてくれます。

正面より。雨が降り注いでいる。
斜めより。気泡の多いこの時代にもかかわらず、足の部分も空洞になっている繊細な造りをしている。

基本的に、完品でなければ飾らない考えの私は、それでも何か強く惹きつけられる魅力をこの瓶に感じており、気がつけば「保留のものを置いておくテーブル」にずっと安置したままになっているのでした。
そして、しばしば手に取って眺めたり、青空に透かして気泡の雨を想像したりと、ついついしてしまう。そんな魅力的な瓶なのです。

古いガラスの記憶#3「正チャン」ニッキ水瓶

三回目となった、古いガラスの記憶ですが、今回は「正チャン」ニッキ水瓶についてです。「正チャン」とは、1924年(!)から1926年(「正チャンのその後」含む)にかけて、朝日新聞または朝日グラフで連載された、リスを相棒に冒険する、当時の国民的漫画/絵本(中間的作品の為、/使用)のキャラクターであり、愛用のボンボンのついた帽子は「正チャン帽」と呼ばれ、子供たちの間で大流行した。

との事。つまり、国民的な漫画のキャラクターだったわけです。で、漫画で人気なら子供のおやつにもモチーフにされるわけで、誕生したのがこの「正チャン」ニッキ水瓶というわけです。

正面より
背面。「正チャン」のエンボスがバン!と浮かび上がっている。
帽子のボンボン部分は飲み口になっていて再現不可な仕様。
ちょっと銀化していますね。

さてこの正チャンですが、冒険好きのせいか、大抵大怪我しておられるわけです。いったい何と戦っていたのかは分かりませんが、五体満足な正チャンは非常に珍しく、怪我した正チャンが出て来てはディガーを一喜一憂させる、そんな希少品なのです。
私もかつて海辺で、何と戦ったのか頭部を失ったアクアブルーの正チャン瓶を手にし、引き寄せに期待して約一年、この度やっとそれが叶ったわけです。

左は以前の怪我した正チャン。ガラスの色から違うが、形は寸分たがわない。
左はガラス本来の色にしては青が強い気もしますね。

珍しいニッキ水瓶とされるものは幾つかありますが、この「正チャン」ニッキ水瓶は、その中でもかなり希少な方ではありましょう。

しかも実はこの「正チャン」、さらにレアな仲間がいます。「ノンキナトウサン」と、「マエノタイショウ」といいます。果たして、仲間が全てそろう日は来るでしょうか?

とりあえず、頭部を失った正チャンが、ついに完全体を引き寄せてくれたので、今回は「正チャン」ニッキ水の回としました。

実は今回の「古い瓶の記憶」は、「古ガラス欲張りセット」とも言うべき希少な特徴のある瓶にしようと思っていましたが、前回の記事の絡みもあり、急遽こちらにしました。この瓶の予備知識を持っていてもらえると、発掘回の動画の雰囲気が伝わりやすいかと思い、こちらにしたのでした。

それでは、また!

合同ディギング!

今日は本当にタイミングが噛み合い、何人かのビーチコーマー、ボトルディガーさんたちと合同ディギングする運びとなりました。
さて、その作戦会議の場となったのは・・・

館山市の「メラーノカフェ」さん!

看板が写ってないって?ごめん、オブジェに目が行っちゃったんだよ。

しばしばこの近くを通るし、名前も有名ではあったものの、今までなぜか行くタイミングを失していたんだ。しかし、ひとたびドアをくぐると・・・

さらに、

ガラス!!

なんてこったジョニー、「メラーノ・カフェ」は噂以上だぜ・・・。

そこに来たのはガラス好きな私と、手にあるのはこれ。

「正チャン」!!なお説明は前後して次回以降になる模様。

というわけで、何も起きないはずはなく、マスターさんの「これはすごいよ!」という言葉や、奥さんがテンション高く写真を撮ったりと、なかなか楽しい時間になってしまった。

こうして、この地域を訪れる沢山のビーチコーマーやボトルディガーを尻目に、一人で海や山を彷徨っていた私も、ついにこの店に激レアガラスを持って訪れる事になったのである。さりげなく訪れてさりげなく出るはずだったんだけどな(笑)。

しばし、ガラスの話やちょっとした歴史、野生動物の話などをして楽しく過ごしたのち、その時は始まった。

合同ボトルディギングである。

画像は流石に割愛するけど、現在私が掘っている「ガレ場のハケ」は、今までのボトルディギングのハケの概念からは大きく外れている。だから長年スルーされてきたのだが、もう一つ特徴がある。「ガレ場」と言うだけあって非常に掘りづらいのだ。メンバーには女性の方もいるので、その辺が気になっていた・・・が、

杞憂だった

ああなんというガラスの魅力。みんな一生懸命掘っていて、海外の屈強なボトルディガーも乾いた笑いを浮かべるしかない掘りっぷりだった。結局、皆さんほとんど休まずに、3時間以上掘っていた。
最後は雨が激しく降ってきて、追われるように撤収になったが、皆さんぽつりぽつりとガラスを掘り出していたし、何とこんなものを掘り出した方もいた。

もしかしたら明治時代に食い込むインク瓶である。

眼福!ハケの年代もより古くシフトして言う事なし。みんな感心して今日の合同ディギングを終えることができた・・・と思う。

ちなみに私は、掘り返した箇所の土を移動しつつ、基本的には皆さんのサポートをできる限りしていた。

画像では分かりづらいが腰より深く掘っている。海外のディガーにも負けないぜ!

それでも不思議なもので、たまーにガラス栓やら瓶が出てくる。そして、残った土をよけていたらポロッと。

ニッキ水、またお前か・・・。

なんとこのタイプのチビニッキ水が出てきた。十分すぎる成果である。こうして、今日の合同ディギングはなかなかの成果を出して終わった。参加した皆さんも楽しんでいただけたようで何よりである。どうせ一人で瓶なんて掘り切れないのだから、楽しみが共有できるという意味でも、たまにはこんなのもいいね。

あと、お土産下さった方、ありがとうございました!

・・・おまけ。

良いチビニッキ水である。

では、また!

大瓶祭り ガレ場のハケ#7

順番がバラバラなのは画像の関係ではありますが、まず、本日アップした動画。

この日掘りだした物を全体アップするとこんな感じですね。

上列の大きな瓶の並びは、「よくぞ今まで割れずに・・・」としか。感動だ。

ディギングは何というか、「その日の傾向」みたいなものがあり、この日は間違いなく、「首の長い大ビンの日」と言っていいんじゃないだろうか?こんな日は滅多にない。

特に、左から二番目の瓶は以前のディギングで底の部分だけ出てきており、完品が掘り出せたことで謎が解けてとてもすっきりした気分になった。

この真ん中の上「S」をもじったデザインの瓶底がそうである。
こうなると「改」も欲しいな・・・。

それと、小さなものもなかなか。

左上は糊瓶。下列は左からガラス栓、小瓶、目薬瓶、不明・・・と言ったところ。
それにしても、このエンボスの意味と瓶の内容物は何だったのか?今後の課題である。

動画中では「底面に米のエンボスが」みたいなことを言ってますが、実はそんな瓶があり、ここでも底部の破片が出てきていました。しかし、まさかの透明な400㏄薬瓶だったのは意外な驚きと嬉しさですね。

そして、これ!

首の部分の隠せない歪みから、この角瓶が当時高度な加工で出来ていたものとうかがい知れる。

出来る限り高い精度で作ろうとした角瓶の、それでも当時の技術の限界が見え隠れする首の部分とのアンバランスが素晴らしい逸品。このような大きな瓶が割れずに残っていること自体希少価値が高い。

いや、今回も良いディギングでしたね。これらの瓶は洗浄が終わったら、動画でもここでもアップしていこうと思っています。

・・・おまけ

角瓶、なかなかいい感じにブラックライトに反応する。ウランではないけれどね。

それでは、また!

古いガラスの記憶#2 ライオン歯磨き粉瓶

少し前に動画にもアップしましたが・・・

今回は好きな人も多い、ライオンの歯磨き粉瓶について。
いつもの撮影スポットでの画像と、ざっくりとした説明を。

現在私たちが使っている「歯磨き粉」は、正確には「練り歯磨き粉」と呼ばれる、ペースト状に加工されたものです。そう、「歯磨き粉」というのは、略称であると同時にかつての呼称であり、以前は本当に粉だったようです。
幸い、上記の動画の視聴者さんがコメントを下さり、「クレンザーのようで、口の中がポワポワした」との事です。使用中に咳きこんでしまう事もありそうな感じですね。

さて、そんな本来の「歯磨き粉」の瓶ですが、これがとても魅力的なのです。デザイナーさんの美学がそこはかとなく感じられる安定感は、スクリュー付きの瓶でありながら飾っておきたくなる、何か豊かなたたずまいを醸し出すのです。

三色。左から濃い紫、濃い緑、緑。

色がまた情緒豊かです。遮光性を考慮しつつも、どこか高級感と安定感が漂っていますね。

今のところ三色です。まず・・・

濃い紫。ディープパープル。
濃いグリーン。
グリーンですね。

ひっくり返すと・・・

LIONと、大きくエンボスされています。

この瓶にも古いものがあり、これは私はまだ見つけていません。拾い人さんのブログ「拾うたんじゃけぇ!」のリンク先ページでは、茶入れのようなデザインの美しいその姿を見る事ができます。

また、これも私はまだ見つけていませんが、サンスターの同じような瓶が存在しているようです。それぞれ、いつかここで紹介できたらいいなと思います。

それにしても、ただの歯磨き粉の瓶にしては魅力の溢れる瓶ですね。

それでは、また次回!

コーヒーと掩体壕と林道とハケ

2019年5月25日の日記的な。

週末は大抵出かけっぱなしである。いつも家族の都合優先で予定を組むためで、今日もぼちぼちその例にもれず、まずは館山の「ブロワ珈琲焙煎所」へ。

良い!昔のガラスと良く似合う雰囲気だ。

さてと、ソフトクリーム食べつつアイスコーヒーをテラスで飲むわけですが、目の前にあるこれ、なんと「掩体壕」戦争の遺物なのです。立札はその説明ね。

近くに行くとこんな感じ。

そしてこの辺りも、感じられる。ガラスの気配だ。探索すれば何か見つかるだろうけれど、今日の予定はそうじゃない。美味しいコーヒーを飲み終えて、しばらく車を走らせる。
そして・・・

林道に入り・・・
さらにその奥へ・・・
奥へ奥へ・・・
さらに抜けていく

これは、実は自分ではなく家族の趣味。しかし、それが自分の趣味ともしばしば合致している。そう、あれが見つかるんだ。

いい感じでハケている。

私有地から道路に転がり出ていた幾つかを表面採取して、さらに林道を進む。途中で、今度は秘境めいた聞きなれない景勝地の看板を見つけて、そちらへと進む。

その途中の、雑に整備された駐車場をよく見ると・・・

機械栓一升瓶に貧乏徳利かな?導入として申し分ない。

こんな感じで、家族の趣味メインの一日は、思わぬ恩恵をもたらしてくれた。調整をして、いずれ掘れるようにしたいものだね。

おまけ・・・(閲覧注意)

ヒルに血を吸われていたらしい・・・。まあ入山料という事で。

そんな一日でした。

古いガラスの記憶#1 「都じまん本舗」

分類はおそらく、佃煮瓶、海苔瓶、または海苔佃煮瓶(ややこしい!)かな?

この瓶は嵐のあとに拾ったもので、由来はビーチコーミングになるのかもしれない。詳細は今のところ分からないものの、重厚で良い瓶だなと思う。

正面より「都じまん本舗」縦の筋と重厚なグリーンが美しい。
背面か正面か?おそらくシールを貼っていたであろう部分は丸く筋がない。
上面より
底面はこんな感じ。エンボスは「M18」デザイナーの思想が何となく感じられる。

大雨のあと ガレ場のハケ♯8

先日の大雨から一息ついてまずしなければならなかったことは幾つかある。車の荷物の引っ越しだったり、一番やりやすいタイミングで庭の草を抜く事だったり、巣立ったムクドリの汚した雨戸の戸袋の原状回復もそうだった。

それらを昨日終わらせて、今日はまず「ガレ場の水を抜く事と、水道(みずみち)を確保する事」を第一にした。前回までのように、ビルジ用のバッテリーポンプと、充電済みのバッテリーを持って現地に行く。

うん、やっぱりほぼ水没しているので、まずはポンプだ!そして、水路を作るように掘っていかないとダメだ。

途中で、地元の年配の方が興味深げに話しかけて来て下さったので、ガラスを探している事を話したら、なんと、掘り出した水薬瓶のエンボスにあった病院に、子供の頃に実際にかかった事があるとの事!
「髭を生やした、優しくて良い先生だった」そして、「昔ここはその病院のほぼ専門のゴミ捨て場だったのよ。よく、ガラスがあるのが分かったわね」との事だった。

今まで出てきたものについて話すと、ニッキ水の瓶や金平糖入れをご存知で、とても懐かしいとの事だった。なんかロマンがあるねぇ。
そんなこんなで夕方。
バッテリーももう電力が不足し、体力ももう限界。しかし水路はちゃんと作った。

これで、今後は掘るのも水を抜くのもスムーズになる。

んで、一応雨に洗いだされたものを拾ったり、水路掘りで出てきたものがこちら。

コバルト色のガラス棒は極細の注射器のシリンダーにも見えるが、何だろうか?そして、多くは瓶のふた。

どうも外国製のような・・・。割れてないのが欲しいね
これは高価な毒劇薬の小瓶のふた。欲しかったものの一つ。

さらに・・・

こんな感じで、作業メインなんだけどとても有意義な時間を過ごせた。かなり体力を使ったのもいいね。

ブログ移転しました。

以前からの「コバルトブルー・プライマル」読者の皆様、いつもありがとうございます。
この度、ブログを移転しました。

レンタルサーバーを借りてWordPressでやっていく方針にしました。
これからは出来る限りマメに更新していく考えです。
使い勝手がまだよくわからないのですが、こういったスキルも役に立つ前提で、積極的にやっていこうと思っています。

よろしくお願いいたします。

No tags for this post.