古いガラスの記憶#12 月猫スタンプインキ瓶

ある晩秋の日、化石の発掘場所を探すべく、とあるビーチからなかなか険しい岩場を移動していたのだけれど、とても小さなゴミだらけのビーチの奥に、遥か上の山から崩れてきた竹藪を発見した。

「竹藪ってハケとか良くあるよなぁ」なんて思いながらその大きな土の塊を見ていると・・・おや?

何か見えますね・・・

掘り出してみると・・・これインク瓶じゃないの?

背の高いインキ瓶。つまり、スタンプインキ瓶?

とりあえず無色のガラスなので、洗ってエンボスが無いか確認してみる。

これは?

どうにも「月と猫」のエンボスに見える。その後、完全に洗浄して・・・。

正面より。
斜め上方より。
底面のエンボス。

最初は、「古い時代に物に見せかけた新しいガラス」だと思った。しかし、そうではなかった。これは、「株式会社ツキネコ」の、底面に「月と猫」がエンボスされたスタンプインキ瓶で、1950年代のものだとわかった(フォロワーさんの熱心な調査による)。
化石発掘は下見だけの予定だったけれど、結局、思わぬところで思わぬガラスを手に入れてしまった感じだ。
現在のところ、私が所有する唯一のスタンプインキ瓶であり、そして特にお気に入りの瓶でもある。

月と猫。こんな素敵なエンボスのなされた瓶もまた、存在しているんだよ、というお話。

では、また!

コバルト

投稿者: コバルト

とある南の国で、今はガラスを探しています。海や山で獲物を追ったり、ビーチコーミングしたり、何か作ったりしてます。

「古いガラスの記憶#12 月猫スタンプインキ瓶」への2件のフィードバック

  1. コバルトさん いつも楽しく読ませて頂いています。

    コバルトさんのビンに接する気持ちが やさしくていいですね~。
    価値や価格に、自分のスタイルをシフトしてしまうと、見える世界観が変わってしまいますね~。
    古着のバイイングの世界でも、同じ空気感があります。
    私は、年代が相当古く、レアで価値がつき、値段も高騰する。。。そんな感じで古着を見るのは
    好きではありませんでした。
    1970年代~1980年代のアメリカのTシャツの世界がたまらない部分が ありました。
    未完成なんです。完璧さがなく、スキがあって 素敵なんです。
    当時のアメリカは、スコブル経済にも勢いがあって、Tシャツ作るにも、いい意味で
    ザックバランで ”とりあえず ささっと作ろう”みたいな いいかげんさが最高でした。
    Tシャツが、曲がっていたりプリントがずれていたり、そのくせ生地が最高なやつをつかっていたりと
    自由だったんです。
    あげればきりがりませんが、首のリブが長めだったり、通常1本縫いが2本糸になっていたり
    タグがねじれていたり。。。出来過ぎじゃないところが いい感じでした。
    コバルトさんのビンの世界もそんな感じがしています。
    未完成な世界は 本当に素敵なことですね。
    人間も少し、抜けてるくらいな男の方が魅力的なのかもしれませんね。

    1. ああ、ガラスの魅力とTシャツの魅力、とても似通った部分がありますね~。社会の構造は「権威と資本」で出来ていますが、趣味はそれらから解放された価値観なんですよね。
      古いガラスにも値のつくもの、希少なものは有りますが、正直なところそんな事は関係なしに好きに楽しみたいといつも思っています。
      古いガラスには、古いTシャツと同じように、生きていくうえで何か大事な、しかし言葉にはできないとても大切なものを教えてくれている気になります。

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