古いガラスの記憶#16 フランスの薬瓶

6月の記事、「ガレ場はまだまだ終わらない」にて出てきたこの瓶が、今回の主役。

これね

フランスから海を渡ってきた、約100年前の瓶

重さもセンスも日本と違う!

さてこの瓶、「ガレ場のハケ」の資料的価値がとても高い瓶の一つなのは間違いないと思われます。色々調べた結果、100年ほど前のフランスから、日本に渡ってきた、何らかの薬瓶らしいからです。

特徴としては、どこか日本の瓶と異なるデザインと、ガラスが分厚くて重い事が挙げられるかと思います。同じ大きさと形の日本製の瓶があったとして、これは2.5倍から3倍ほど重く感じられます。この瓶に最初に感じた違和感の一つですね。

で、エンボスは全てアルファベットです。これを翻訳しようとしたらGoogle翻訳先生が「お前それたぶんフランス語やで?」と言って来たので、フランス語で訳してみたわけです。

RABORATOIRES
A.LUMIERE

RABORATOIRES (研究所)

A.LUMIERE (A.ルミエーレ)

つまり、「A.ルミエーレ研究所」とエンボスされている事になります。

底面には「45」のエンボス。45㏄かな?

以前の記事にも書きましたが、このエンボスの文章をそのままコピペして検索すると、フランスの古書がヒットします。
1927年にフランスはリヨンで発行された、「オーギュスト・ルミエーレ研究所年鑑・実験的生理学と薬力学について」 という、研究所の年鑑ですね。
つまり、 「A.ルミエーレ研究所」 のAはオーギュスト(Auguste)でほぼ間違いないでしょう。
これで、ほぼこの瓶はフランス製だな、と確信を持つに至ったわけです。

余談ですが、 オーギュスト(Auguste) はフランスにはわりと多い名前です。「考える人」の彫刻で有名なロダンは、オーギュスト・ロダンです。「尊厳」を意味する言葉であり、フランスだと、尊厳王(オーギュスト)と呼ばれたフィリップ二世が有名ですね。
他には、8月の英語読みオーガスト(August)の語源となったローマ初代皇帝アウグストゥス(尊厳者)が一番連想しやすいでしょうか。割と古い言葉ですね。
ちなみに、 ルミエーレ (LUMIERE)は、「光」を意味する単語です。
薬の研究者としてはなかなか良い名前ですね。
調べる価値のある、とても良い瓶です。

海を渡り、100年ほど眠ってから浴びる太陽はどうだい?

それにしてもさすがはオシャレの国、フランスです。この瓶は私の机前の、「特にお気に入り」ゾーンに既に仲間入りしています。他の瓶と並べていると特に映える良さがこの瓶にはあります。いずれはそんなたたずまいも紹介しようと思います。

では、また!

コバルト

投稿者: コバルト

とある南の国で、今はガラスを探しています。海や山で獲物を追ったり、ビーチコーミングしたり、何か作ったりしてます。

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