灼熱の探索

まず最初に、動画の冒頭でもお礼を言っていますが、

プレゼントありがとうございます!

折しも夏の大規模な瓶洗浄中だったので、グッドタイミングです。ありがとうございます!

で、8月1日。世間は猛暑で、毎日高温だからと警報も流れていたりするけど、何しろ大潮である。出かけないはずはなく、当然気になる場所を探索に出るのだった。

最初のビーチは砂が多すぎてイマイチだった。台風にでも洗われない限り難しそうだ。

左手の漂着線が波打ち際で、リップルマークの連なるこの砂地は、本来は石ころとガラスやゴミの多いごつごつした心躍る場所だったんだけど、現在は30~40センチは砂でかさ上げされてしまっている。

ダメだな・・・。

こうして、次のスポットに移った。

山にはガスがかかっている。
そして海名は赤潮。

情報量が多い。以前と様子の変わった場所もあるので、じっくり探索していく。(途中で車のライトつけっぱに気付いて慌てたのは内緒)

こんな岩場やがけをひたすら進んでいく。
時間は丁度昼過ぎで、最も暑い時間だ。

以前、月猫のインキ瓶を拾った場所は崩落が進んでダメだったけど、意外な事に休もうとして木陰に入ったら、そこで瓶や目薬瓶を見つけてしまった。

初見タイプだね。

それて、自分には珍しい事なんだけど、状態が良いシーグラスも。

ジェリービーンズみたいなのもあるね。

この日の行程は長ーい動画にもなっているので、詳細はこちらで!

それにしても、暑い一日だった!

本当は化石も探したかったのですが、目当ての場所はここではないみたいなのです。

では、また!

古いガラスの記憶#20 チビ六角ニッキ水

今回はこちらね。

ニッキ水の中には『チビニッキ』と呼ばれる、特に小さいものがあります。ひょうたん型のチビニッキは有名ですが、あまり知られていないこのタイプのチビニッキ水、私は大好きなのです。「ガレ場のハケ」にて運良く二色揃ったので、今回の記事を書くことにしました。

以前、「正チャン」のニッキ水瓶の記事でも書きましたが、ニッキ水瓶にはしばしば無色透明のものと、アクア色のものとがあります。
今回揃ったチビニッキ水、改めて二つ並べてみましょう。

二つ並べて立ててみる
こちらは倒してみる。

同じガラスなんですが、この色の違いだけで受けるイメージも全く違ってきますね。透明にもアクア色にも、全く異なる魅力があるのは素敵な事です。

あえて詩的に表現するとしたら、無色は風、アクア色は海でしょうか?

こちらは歪みも素敵で、気泡はゆっくり。
こちらの気泡はスピード感がある。

同じ日の同じ時間に撮っている画像なのに、なぜか背景の海と空の色が違うのがまた面白いです。どういう仕組みなんでしょうか?

この、チビ六角形ニッキ、実はニッキ水の中ではあまり出ない、数少ないもののようで、ネットを探し回ってもそんなに画像が多くありません。しかし、見つけることができればこのようにとても美しいものなので、是非とももっと知られて欲しいなと思うのです。
運良く二つの色をそろえることができたので、現在この二つは私の机の「特にお気に入りスペース」に仲良く並んでいるのですが、梅雨が明けた灼熱の日々の夜、ふと目を向ければ涼しい気持ちにさせてくれる、そんな存在感と美しさを持った瓶なのです。

では、また!

廃タイヤ調査の結果と、謎のレートフード

ウミガメもしばしば産卵する、そう遠くない海岸に、「Googleマップでも確認できる廃タイヤが沢山捨ててある」との話を聞き、では実際にどれくらいあるのか?と、調査する事にして、その経過と結果を折角だから動画にもしていたのです。

これは前編。

ちなみに、ひどい所はこんな風にタイヤが並んでます。

これらのほとんどはトラック用の大型タイヤなので、そりゃあ確かにGoogleマップにも写っちゃうよなぁと。

で、一応、二度に分けて綿密に海岸を歩いて調査した結果なのですが、

大型トラックの廃タイヤ 66本

普通の廃タイヤ 1本

廃タイヤ合計67本

という結果になりました。全行程は1.2キロ前後の海岸線ですから、これは大変な数になります。古い水路の簡易的な護岸に使われていたものはともかく、広い海岸に流出したものくらいは何とかしたいところですね。

行政に何度か話は行っているそうですが、処理のルートが複雑で面倒なタイヤは、行政とは非常に相性の悪い廃棄物の一つです。行政は廃タイヤの直接的な処分ルートを持っていないのですよね。

なので、タイヤ業者や自動車販売会社にでもあたりを取り、処分費用を見積もってもらってから、計画を立てる必要があると思います。

後編の動画はこちら。

・・・で、この日の調査の途中なんですが、どういうわけか「レートフード」の大瓶を拾いました。
大瓶が存在していたのもびっくりですが、それ以前に傷のほとんどないこれが落ちていたのが不思議でなりません。
今まで何度も歩いていた場所で、古いガラスが落ちていたことは無かったんですけれどねぇ・・・。

分かりづらいですが大瓶です。

経験上、こんな時は見落としているハケがあったりするもので、導入っぽいのです。近々、調査してみようと思います・・・が、
これ受け取ったらタイヤの処分しなくちゃならない流れなんじゃ?

ま、まあ、その時は何とか頑張るよ、うん。

では、また!

PIN届きました!YouTube初収益!

これ、何かわかりますか?

これはGoogleアドセンスの住所確認用PINが記載されている封筒なのです。YouTubeの収益はGoogleアドセンスと連動しており、その収益の概要、確定金額や支払いはGoogleアドセンスからになります。
YouTubeでチャンネル登録をして収益が振り込まれるまでの流れを簡潔にまとめますと・・・

  • YouTubeにチャンネル登録をする
  • チャンネル登録者1000人、総再生時間4000を超える。
  • 収益化審査開始
  • 収益化審査通る
  • 収益が1000円を超えると、口座の確認、住所の確認が行われる。
  • 口座の確認は指定口座にGoogleから振り込まれる、二ケタ円のランダムな金額を入力。
  • 住所の確認は、発送されたとアナウンスのあるPIN(到着まで2~5週間程度かかるとの事)を受け取り、それを入力
  • 月末までの収益が翌月の10日以降にGoogleアドセンスに反映する。これが8000円を超えると、翌月の21~26日には振り込み

といった流れになります。

今回私は6月2日に審査が通り、7月の10日過ぎにはそこそこの収益が反映し、7月13日にPINを発送したという通知が来て、7月27日に PIN が到着、入力後の深夜には支払い済みという通知がなされて支払い残高0になり、先ほど、口座への振り込みを確認したところです。
全てが最短で進み、とてもびっくりしています。

本来、YouTubeのチャンネル登録者が1000人を超えるのは早くても秋くらいかと思っていたので、このペースは予定を次の段階に進められるのでとてもありがたいですね。

ちなみに、YouTubeの収益化のハードルは確かに高くなった印象ですが、収益化の壁を越えてしまうと、少しスムーズに活動できるくらいには収益が上がります。粗造乱造を防いだり、最近も規約が変わって批判系の動画の収益はなされづらくなっていくようですが、私みたいな動画をアップしている者にはむしろ追い風なので、良い傾向じゃないかと思います。

批判よりは自然に向き合ったりする方が有益だし、楽しいですもんね。

なんだかんだでとても早くチャンネル登録者一万人を達成できたのも、楽しんでくださってる皆さんのお陰です。いつもありがとうございます!

では、また!

プレゼントとガラス洗い

今日はとても嬉しい事がありました!

先日、こちらのブログに載せた「Amazon欲しい物リスト」ですが、今日、さっそく視聴者さんからプレゼントが!

GoPro用のウインドスレイヤーです!

もうとても嬉しい!ありがとうございます!

動画の方でも取り上げさせていただきました。

・・・で、今日なんですが、やっと梅雨明けと思ったら、どうにも荒天の予感です。であれば、やっておくべきことは一つ。時間の限りたまりにたまったガラスを洗うべきなのだ。

でっかいクリーム瓶内部のの頑固な汚れもやっと落ちた。

そんなわけで、今日は動画を撮りつつひたすらガラスを洗っておりました。ハイドロハイター水槽も入れ替え出来そうでいい感じです。

見ているといつまでも時間を奪われる恐るべき洗い物の数々。

動画はこちらに。

この動画は長いので、前後編に分けてます。
残りの洗浄と、洗ったものについての説明は、後編で!

あと、重ね重ね、プレゼントありがとうございました!!

では、また!

古いガラスの記憶#19 丸薬または「み号剤」の瓶

今回はこれ。気泡がすごいというより、気泡で出来ていると言った感じ。

表裏、あまり変わらないのだけれども。

アクア色のガラスに、限界まで気泡を含ませたらどうなるのか?おそらくこの瓶は、その答えの一つ。丸薬の瓶か、「み号剤」の瓶。
「み号剤」とは、かつての日本軍のパイロット、特に夜間哨戒や夜間迎撃の任務に就くパイロットに支給された、夜間視力増幅剤の事。
この極端に多い気泡を見ると、「それでも瓶が必要だった」事情が考えられ、ほとんどの瓶が陶製に変わっていた頃でもあえてガラスを用いるあたりに、民間ではない力を感じる。
もしも「み号剤」だったとしたら、過去に夜間の哨戒や迎撃任務に就くパイロットが、この瓶の薬を飲んで、夜の空に出撃していたかもしれないのだ。
ただ、今やそれを確認する方法は無いのだけれども。

空に透かして見る。
逆光に透かすと、水中から見る泡のようだ。

当時なら、本来の要求される材質や強度からは程遠いはずのこの瓶は、長い時間を経て掘り出された今となっては、見る者に涼しさを感じさせてくれる、美しくて魅力的なガラス瓶の一つであり、夏本番の暑さの中にあって、「そうだ、あの瓶の画像なら涼しい気持ちになれるかもしれない!」と思うような、特別な魅力を持つ瓶と化してしまっている。平和とは良いものだな、と、こんな時に思うのは、ちょっと斜めな価値観だろうか?

太陽に透かす。

故郷の震災で失われた海は、鳴き砂でありながら泳げる、稀有な砂浜だった。息を止めて水底から見上げる海面と泡はまさにこんな感じで、盛夏でも冷たいあの海を思い出す。うん、とても涼しくなれる。

逆光をより強めに。

昔であれば夜間の視力を良くする用途、今であれば心を涼しくしてくれるこの瓶は、いつも机の上のお気に入りスペースに置いてある逸品の一つであり、示唆に富んだ涼やかな落ち着きをもたらしてくれる。
そんな瓶なのだ。

では、また!

ブログの更新と欲しいものリスト

以前、質問箱でこんなやり取りがありました。

「欲しいものリスト?」そういえばどっかで見た事あるなぁ。・・・というわけで、今夜はブログ周りをついでに色々といじっておりました。

まず、サイドバーにTwitterとInstagramとYouTubeのリンクボタンを追加。
そして、その下にはテキストとリンクで「Amazon欲しいものリスト」のリンクを貼りました。

どんなものをリクエストすればよいかが分からないので、誰かから貰ったら嬉しいなと思うものをピックアップしてみました。

正直なところ、「本当に何か届くなんて事があるの?」と思っていたりするので、何か届いたらかなりびっくり&感動すると思います。

そして、もし本当に何か届いたら・・・

動画で紹介&どこかの掃除をしてきます

だってそれくらいモチベーションあがるじゃあないか!
さて、本当に何か届くのかな?

では、また!

やっと晴れた一日

いや、何というかやっと晴れて、天気予報からも雨マークが消えましたね。
折しもこの日は早朝から神社の清掃だったので、朝から頑張って来ました。
ついでに、どうにもハケてそうな場所も何箇所か。

あやしい・・・

その後、家に戻って何をすべきかちょっと考えたのだけれども、何と言っても除草だろう。前回除草してからほぼずっと雨で、雨でもしたたかに伸びる雑草は、すでに以前の除草作業を完全に無かったことにしかねない勢いで庭を覆いつくしている。ついでに、伸びすぎた何本かの植木も剪定した。
汗びっしょりになりながらそんな作業をしていると、近所の方から有難い野菜の差し入れが!ありがとうございます!
「これだけ降ってまた草刈りだと、やる気出すの大変だよね」との事。
うん、完全に同意。

どうにかこうにか自宅周りを終え、ついでに蜂の巣も撤去して、次に向かったのは畑だけれど・・・

そこには絶望が広がっていた・・・

何もしない間に草ボーボーである。いや~豊かな土壌ですね。
実際に歩いてみると思いのほか広い。だいたいどうやっていくかはイメージが決まったものの、雑草と面積にちょっとたじろぐ。
しかし・・・

歩くたびに足が良く沈む。とても良い土なのだとわかり、すぐに楽しみの方が上回ってきた。
ここは明日から手を付けよう・・・。

そして午後。

やはり水没するガレ場

かつてはここに古代文明が存在したんじゃよ

しかし、今回は流れができているので、天気予報さえ悪くなければこっちのものである。ホースでサイホンを仕込み、ついでに観光客の方と話してガレ場を後にした。

夕方からは、とあるビーチの廃タイヤの数量や大きさの把握をするべく、ビーチコーミングを兼ねた実態調査へ。

これは動画で。

久しぶりに海辺を歩けて幸せだったものの、一方で実際は大変な量の大型タイヤが放置されていて困惑してしまった。
経験を活かせば片付ける方法は見えてくるが、問題はその費用だ。さて・・・?
とりあえず、今回調査しようと思っていた距離の残りを調べてしまい、この区間の放置タイヤの全容を把握したら、何か手段を考えようと思う。

・・・と、久々の晴れでかなり飛ばした一日でした。

では、また!

ボトルディギングって?その楽しさと魅力

今更ながら、とても基本的な話を。

YouTubeなどで動画を見て、「楽しい!」と思ってくれた方の中には、「ねえ、ボトルディギングって何ぞや?」と思った方も少なからずいると思うので、今回は基本中の基本として、私が認識している範囲でだけど、「ボトルディギングとは何ぞや?」という点について書こうと思う。

「ボトルディギング」これは本来の英語で書くと「Bottle(瓶) Digging(掘る)」というわけで、「瓶掘り」の事だ。

では、どんな瓶を掘るのだろうか?多くの場合は、「昔のガラス瓶」という事になる。

このボトルディギングという趣味では先駆者たる平成ボトルクラブさんと、さらに「ボトルドクター」庄司太一先生の仰っている「ジャパニーズ・ボトルディギング」の根本となる考え方は、

「一度、役目を終えたガラスビンに、もう一度新たな光を当てる事」

との事で、私もそうだろうなと思っている。

古いガラスには言葉にはできない魅力があり、さらに資料も少ない。掘り出して、光を当て、その魅力の根源が何かと思いをはせつつ、心に揺蕩うガラスの波を呼び起こしてもいいし、当時の人々の生活を想像したり、その瓶の用途を推理して突き止めていくなど、光を当てた後の楽しみ方は人により違う。もちろん、すべて楽しむ人もいるだろう。
そんな奥深さのある瓶を・・・本来は廃棄され永遠に失われたり、忘れられたままになるはずの瓶を、もう一度探し出して掘り出し、手に取ってみる。

そんな趣味である。

・・・と、「らしい」話は置いといても、昔のガラスの諸々は、波長の合う人にはたいそう美しく魅力的に感じられ、それを集めるのが単純に楽しい。それでいいじゃないか!とも思うんだけどね(笑)。

実際、この趣味は人類共通に近く、あちこちの国で瓶を掘っている人々がいる。今この瞬間も、どこかで誰かが掘っているはずなのだ。私もInstagramやYouTubeに画像や動画を載せていると、サハリンの日本の瓶マニアのディガーさんと情報交換する事になったり、何とタスマニアのボトルディガーさんと動画をシェアして楽しんだりと、「言葉は無くとも、わかる」といった交流ができている。

つまり、どういうわけかわからないが、なぜか楽しいと思う人が多く、また実際にとても楽しい趣味なのだ。

ガラスの歴史も、何と4000年前のメソポタミアまでさかのぼれるし、 それ以前には火山ガラスや鉱物におそらく魅力を感じていた人類は、それに似たものを自分たちが創り出せた時、とても感動したに違いない。案外、ガラスに対して人が呼び起こされる感情は、とてもプライマル(原始的)なものなのかもしれないね。

そして、「なんで、昔の瓶なんて?」と思った人が、ボトルディギングという言葉を知ってしばらくして、「とても楽しい・楽しそう!」と思ってくれたら幸いだなと思う。

では、また!

火事を消した話と、実際の恐ろしさ

今回は予定を変更して「夜話」ジャンルの話を書きます。
Twitterでもなんでも、アニメ制作会社に起きた理不尽な火災のニュースほぼ一色なので、今回は実際の火事に遭遇して火を消した話を書こうかと思う。


今から10年前のある冬の午後、アパートのインターホンが何やら普通じゃない雰囲気でピンポンピンポンと鳴る。何事かと思って出てみると、

「上の住人です。火事を出しちゃったので今すぐ逃げて下さい!」

・・・は?・・・え?・・・火事だとちょっと待て!
実はこの日、ある用事があって自分も家族も在宅だった。出かける10分ほど前のことである。また、火事になれば寒い季節に二階に派手に放水されたら、一階の我々の部屋と生活は大変なダメージを受ける。

冗談じゃねぇ!

自分のペースを乱されるのが何より嫌いな自分は、この上の階の住人に聞いた。

わし「火事の様子は?」
二階の住人(以下、二階)「ま、まだボヤです!」

ボヤだと?

わし「消火器は?ここはあちこち設置されてるけど」
二階「つ、使い方がわかりません!」

は?なんやこいつ男か?男なら誰だって一度は学校の消火器をぶっ放してみたくて、防災訓練そっちのけで使い方は分かってるもんだろう?使った事なくても誰もがピストルの撃ち方を知っている気になる感じだろう?
・・・といった事を高速で考えていた。急いで一階の通路を確認すると、消火器は四つ設置してある。おそらく二階もだろう。一部屋程度のボヤなら消せなくはない。急いで二階に上がった。

わし「部屋はどこ?」
二階「入ってすぐ右の部屋です。暖房付けたまま寝てたら、椅子か何かに引火して」
わし「わかった!部屋入りますよ?」
二階「はい!」

こうして玄関を開けたのだが・・・

そこには闇が広がっていた

最初は、意味が分からなかった。昼間なのに玄関を開けたら暗黒の空間だったのだ。

わし「何これ?ブレーカーおちたの?照明は?」
二階「ついてると思います。何も見えなかったんです。出るのも必死で」

闇にギリギリまで近づいたら、天井にオレンジ色の頼りない光がぼんやり見えた。小学校などでさんざん見た、「火事になったら煙の下を移動する」が、まったくなまぬるくて正確な想定でないと思い知らされた瞬間だった。

煙の中ではない、暗黒の中を移動するのだ。

ここで初めて、火事で人がどう死ぬかリアルに想像できた。この暗黒にまかれてパニックになり、出口も分からない間に大量の煙を吸って死んでしまうのだ。

わし(なんてこった、みんなこいつにやられたのか・・・)

映画などで登場人物が次々と謎の死を遂げていき、最後にその元凶を見つけて対峙するような、そんな気持ちが沸き上がる。
そして、消せるのは自分しかいない。そしてたぶん消せる。なぜか?
長時間息を止めるのも得意だったからだ。

消火器入れから消火器を取り出し、ピンを抜く。そして最大限呼吸を整え、深く息を吸い、闇の中へ突入。入ってすぐに右の部屋の入り口をくぐると、椅子のような物が燃えているシルエットがぼんやりと浮かび上がる。
ノズルを向けて消火器を発射する。
産廃の処理や蹴ったボールがぶつかって公民館の消火器を発動させて怒られた時とは違う、出来れば避けるべき正当な理由での消火器の使用。
天敵の出現に火はあっという間に勢いをなくし、ほぼ消えてしまったが、ダッシュで外に出て呼吸を整えると、もう一本の消火器を持って再突入し、ダメ押しで火元全体に満遍なく消火剤を振りかける。

・・・火は?外に出て、消火器を置き、再び呼吸を整えて確認に入ったが、もうどこにも火は見えない。やったらしい。そして、けたたましくサイレンが鳴って、フル装備の消防隊員がぞろぞろと来た。非常に早くてとても優秀だと思った。
・・・が、言わなくてはならない事がある!

わし「すいません火は消したので水かける前に確認を!」
消防隊員A「消したんですか?あなたは」
わし「下の部屋の者だよ。消したと思うから水をかける前にちょっと見てみて!」

ここで、「放水ちょっと待って」と声がし、消防隊員が室内に入っていった。

消防隊員A「初期消火のようです」
消防隊員B(無線中)「えー、初期消火したようです。下の階の方のようで、はい」

署と無線で話しているようだ。
こうして、火は消え、放水は無くなった。私と家族の平穏はそれほど乱されずに済んだのである。
・・・が、

消防隊員A「あの、火元の住人の方知りませんか?」
わし「あれ?さっきまでここに・・・」
消防隊員C「煙を吸ってしまったとかで、自分で救急車を呼んで乗って行かれましたよ」
わし「・・・ああ、・・・そう」

ちょっとだけ微妙な空気が流れたが、あの煙では無理もないな、と思った。同時に、リアルな「煙の怖さ」を学べたのは良かった。人生で二度とあってほしくはないが、何かの時にこの暗黒の煙を知っているのといないのでは、冷静さと生存性が全く違ってくると思えたからだ。同時に、学校で学ぶ防災訓練は、煙を過小評価しているなぁ、とも思った。

消防隊員「あの、署から表彰されると思うので、差し支えなかったら住所とお名前を」

一瞬どうしようかと思ったものの、確か履歴書にも書ける事でもあるので、貰っておくことにした。表彰はその一ヶ月ほど後にされ、今でも賞状は箱入りで保管されている。私としては、平穏に過ごせたならそれで十分だったのだけれど。
のち、上の階の住人さんと物件の大家さんから、大量に贈り物をいただいた。火事になっても水をかけても大変なことになっていただろうしね。
火事自体は不幸な事だが、こんな結末の火事もある、ということで。

では、また!