スタンプインキ瓶の見分け方

今回は、知らないと「変わったインキ瓶」と思ったままになってしまいがちな、「スタンプインキ瓶」について。
まず初めに、「スタンプインキ」についてだけど、これはその名の通り、スタンプの朱肉用のインキの瓶だ。普通のインキ瓶との用途の違いからくるデザインの違いが、スタンプインキ瓶の特徴として現れている。
まず、こちらは透明な普通のインキ瓶。

透明なコルク栓タイプ

次に、先日も記事にしたけど、月猫のスタンプインキ瓶を。

違いが分かるかな?

次に、この二つを並べてみる。

おわかりいただけただろうか?

スタンプインキ瓶の最大の特徴は、

直径のわりに背が高い

ということ。おそらく、普通のインキ瓶は直接ペン先をちょんちょんとつけても良い様に背が低い一方、スポイトで一定量のインキを吸い上げて朱肉に垂らすスタンプインキの用途では、スポイトの高さや吸出し量の確保で背を高くする必要があった為と思われる。
これを念頭に置いておけば、初めてスタンプインキ瓶が出てきた時も、「背の高い変なインキ瓶」ではなく「おそらくスタンプインキ瓶」という分類ができる。
古い瓶の世界はまだまだ分からない事ばかりだけれど、それだけに出てきた瓶が何か、ざっくりとでも分類する知識があると調べやすくなっていく。
本当に小さなポイントだけど、参考までに。

では、また!

古いガラスの記憶#12 月猫スタンプインキ瓶

ある晩秋の日、化石の発掘場所を探すべく、とあるビーチからなかなか険しい岩場を移動していたのだけれど、とても小さなゴミだらけのビーチの奥に、遥か上の山から崩れてきた竹藪を発見した。

「竹藪ってハケとか良くあるよなぁ」なんて思いながらその大きな土の塊を見ていると・・・おや?

何か見えますね・・・

掘り出してみると・・・これインク瓶じゃないの?

背の高いインキ瓶。つまり、スタンプインキ瓶?

とりあえず無色のガラスなので、洗ってエンボスが無いか確認してみる。

これは?

どうにも「月と猫」のエンボスに見える。その後、完全に洗浄して・・・。

正面より。
斜め上方より。
底面のエンボス。

最初は、「古い時代に物に見せかけた新しいガラス」だと思った。しかし、そうではなかった。これは、「株式会社ツキネコ」の、底面に「月と猫」がエンボスされたスタンプインキ瓶で、1950年代のものだとわかった(フォロワーさんの熱心な調査による)。
化石発掘は下見だけの予定だったけれど、結局、思わぬところで思わぬガラスを手に入れてしまった感じだ。
現在のところ、私が所有する唯一のスタンプインキ瓶であり、そして特にお気に入りの瓶でもある。

月と猫。こんな素敵なエンボスのなされた瓶もまた、存在しているんだよ、というお話。

では、また!